デジタルノマドと所得税法172条の準確定申告―リモートワーク給与と出国時の税務 はじめに 日本では、外国企業に勤務しながら日本でリモートワークを行う人などを対象として、在留資格「特定活動(デジタルノマド)」が設けられています。在留期間は6月で更新不可とされ、一定の対象国・地域の国籍等、申請時に年収1,000万円以上であること、一定の医療保険への加入などが要件とされています。また、日本の企業等との雇用契約に基づく就労活動は、この在留資格では認められていません。 しかし、 「デジ... International taxation Japan global mobility tax agent 2026/09/19 0 77
租税条約とは何か―国内税法との関係と日本の租税条約ネットワーク【国際税務の基礎①】 租税条約とは何か 租税条約は、二つの国・地域の間で、どちらの国がどの所得に対してどの範囲まで課税できるかを調整する国際的なルールです。 国境を越えて所得を得る場合、同じ所得について所得の発生国である「源泉地国」と、所得を得た者が居住する「居住地国」の双方が課税を主張することがあります。租税条約は、このような国際的二重課税を調整するとともに、課税関係を明確にし、脱税・租税回避を防止することを主な目的... International taxation Japan tax treaty 2026/09/19 0 92
租税条約のProtocol(議定書)とは何か―条約本文との違いと実務上の重要性【国際税務の基礎②】 Protocolとは何か 租税条約を確認していると、条約本文とは別に「Protocol(議定書)」という文書が存在することがあります。 「議定書」という名称から、条約本文より重要性の低い補足資料のように見えることがありますが、これは必ずしも正しくありません。 条約に付されたProtocolについて、財務省は、条約の不可分の一部を成す議定書の規定は、 国際法上、条約本文の規定と何ら変わらない効力を有... International taxation Japan tax treaty 2026/09/19 0 84
租税条約のExchange of Notes(交換公文)とは何か―Protocolとの違いと法的意味【国際税務の基礎③】 Exchange of Notesとは何か Exchange of Notes、すなわち「交換公文」とは、一方の政府が一定の内容を記載した公文を相手国に送り、相手国が同内容に同意する公文を返すことによって、両国間の合意を形成する方式です。 「条約」という一つの文書に双方が署名する方法とは外見が異なりますが、国際法上の合意は文書の名称だけで決まるものではありません。 外務省も、国際的な合意は「条約」... International taxation Japan tax treaty 2026/09/19 0 76
MLI(BEPS防止措置実施条約)とは何か―既存の租税条約を一括して変更する仕組み【国際税務の基礎④】 MLIとは何か、なぜ必要になったのか MLIは、正式には「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約(Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent Base Erosion and Profit Shifting)」といい、一般にMultilateral ... International taxation Japan tax treaty 2026/09/19 0 89
「183日ルール」 同じ「183日」でも数え方が違う? はじめに 国際税務では、「183日」という日数が居住者判定や短期滞在者免税の場面で頻繁に登場します。しかし、同じ183日であっても、何のための183日なのか、また入国日・出国日をどのように数えるのかは、各国の国内税法と租税条約によって異なります。特に日本、中国、米国を行き来する個人については、この違いを正確に理解しておくことが重要です。 まず結論 ― 入国日・出国日はどう数えるのか 制度 入国日 ... China International taxation Japan US global mobility tax tax treaty 2026/09/17 0 130
【外国人個人向け】出国時申告(準確定申告)とは? はじめに 日本に居住している個人が海外へ転出する場合、税務上は「出国」という重要なイベントが発生します。出国に伴い、日本の所得税制度では、その年の途中で居住者でなくなることを前提として、所得の清算を行うための特別な申告制度が設けられています。これがいわゆる「出国時申告」、正式には「準確定申告」と呼ばれる手続です。 出国時申告は、日本人・外国人を問わず、日本の居住者として課税されていた個人が対象とな... Japan global mobility tax 2026/02/05 0 1081
令和8年度 社会保険料率 はじめに 社会保険料は、健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、労災保険、そして子ども・子育て支援金及び拠出金などで構成され、原則として、事業主と被保険者で分担する制度です。 2026年度 (令和8年度)については、現時点の議論や財政状況を踏まえると、 健康保険料率が約0.1%程度引き下げられる見込み とされています。仮に令和7年度の料率が約9.91%であった場合、令和8年度には 9.81%程度 ... Japan payroll 2026/01/24 0 9420
【外国人個人向け】日本の社会保険・労働保険の仕組みを徹底解説 はじめに 日本で就労する外国人にとって、社会保険・労働保険の仕組みは最も理解が難しい制度の一つである。給与明細には複数の控除項目が並び、「なぜこれほど手取りが減るのか」「自国の社会保険とどう違うのか」「短期間の滞在でも加入が必要なのか」といった疑問を持つケースが多い。 日本の社会保険・労働保険は、国籍を問わず「日本で働く個人」を対象とする制度であり、原則として任意ではない。本稿では、外国人個人の視... Japan payroll 2026/01/09 0 1165
【外国人個人向け】日本で働く非居住者の給与課税実務|源泉徴収と実務対応 はじめに グローバル人材の流動化が進む中、日本で短期就労・役員就任・不動産保有などを行う外国人や海外居住者にとって、「非居住者」としての日本の個人所得税の理解は不可欠である。 日本の所得税制度は、居住者・非居住者の区分によって課税範囲、税率、申告義務が大きく異なり、誤った理解は過少申告や源泉徴収漏れといった税務リスクにつながる。 本稿では、日本の非居住者個人に対する所得税の基本的な枠組みを整理し、... Japan payroll 2026/01/03 0 631
ふるさと納税 はじめに ふるさと納税は、日本独自の制度として国内外から注目されることの多い仕組みです。一般には「返礼品がもらえるお得な納税制度」として紹介されがちですが、税務の観点から見ると、その本質は 地方公共団体に対する寄付を通じた税額控除制度 にあります。 特に、日本に居住する外国人や外資系企業の役員・専門職にとっては、「そもそも納税なのか寄付なのか」「どの税金がどのように減るのか」「国外所得がある場合に... Japan tax 2025/12/26 0 1091
Q: 日本居住外国人が外国非上場企業のストックオプション(SO)を行使する場合の課税関係 はじめに ストックオプション(Stock Option:SO)は、日本の税制において、 会社が自社または子会社の従業員・役員等に対して、あらかじめ定められた権利行使価格で一定期間内に自社株式を購入できる権利とされています。 一般の上場企業であれば、日本の税制適格・非適格の判断枠組みに基づき、課税タイミング(付与時・行使時・譲渡時)が比較的明確に整理されます。しかし、 日本居住外国人が外国非上場企業... Japan payroll tax 2025/12/13 0 585