租税条約とは何か―国内税法との関係と日本の租税条約ネットワーク【国際税務の基礎①】 租税条約とは何か 租税条約は、二つの国・地域の間で、どちらの国がどの所得に対してどの範囲まで課税できるかを調整する国際的なルールです。 国境を越えて所得を得る場合、同じ所得について所得の発生国である「源泉地国」と、所得を得た者が居住する「居住地国」の双方が課税を主張することがあります。租税条約は、このような国際的二重課税を調整するとともに、課税関係を明確にし、脱税・租税回避を防止することを主な目的... International taxation Japan tax treaty 2026/09/19 0 302
租税条約のProtocol(議定書)とは何か―条約本文との違いと実務上の重要性【国際税務の基礎②】 Protocolとは何か 租税条約を確認していると、条約本文とは別に「Protocol(議定書)」という文書が存在することがあります。 「議定書」という名称から、条約本文より重要性の低い補足資料のように見えることがありますが、これは必ずしも正しくありません。 条約に付されたProtocolについて、財務省は、条約の不可分の一部を成す議定書の規定は、 国際法上、条約本文の規定と何ら変わらない効力を有... International taxation Japan tax treaty 2026/09/19 0 319
租税条約のExchange of Notes(交換公文)とは何か―Protocolとの違いと法的意味【国際税務の基礎③】 Exchange of Notesとは何か Exchange of Notes、すなわち「交換公文」とは、一方の政府が一定の内容を記載した公文を相手国に送り、相手国が同内容に同意する公文を返すことによって、両国間の合意を形成する方式です。 「条約」という一つの文書に双方が署名する方法とは外見が異なりますが、国際法上の合意は文書の名称だけで決まるものではありません。 外務省も、国際的な合意は「条約」... International taxation Japan tax treaty 2026/09/19 0 286
MLI(BEPS防止措置実施条約)とは何か―既存の租税条約を一括して変更する仕組み【国際税務の基礎④】 MLIとは何か、なぜ必要になったのか MLIは、正式には「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約(Multilateral Convention to Implement Tax Treaty Related Measures to Prevent Base Erosion and Profit Shifting)」といい、一般にMultilateral ... International taxation Japan tax treaty 2026/09/19 0 337
「183日ルール」 同じ「183日」でも数え方が違う? はじめに 国際税務では、「183日」という日数が居住者判定や短期滞在者免税の場面で頻繁に登場します。しかし、同じ183日であっても、何のための183日なのか、また入国日・出国日をどのように数えるのかは、各国の国内税法と租税条約によって異なります。特に日本、中国、米国を行き来する個人については、この違いを正確に理解しておくことが重要です。 まず結論 ― 入国日・出国日はどう数えるのか 制度 入国日 ... China International taxation Japan US global mobility tax tax treaty 2026/09/17 0 372
【外国人向け】日本不動産に係る税務の留意点 はじめに 日本の不動産は、居住用、賃貸投資用、事業拠点用など、外国人にとっても幅広い目的で取得されています。しかし、購入できるかどうかだけを確認し、取得後の税務手続まで十分に検討していないケースは少なくありません。日本の不動産には、取得時の税金だけでなく、保有中の固定資産税、賃貸収入に対する所得税、売却時の譲渡所得税、さらに相続税・贈与税が関係します。海外居住者の場合には、日本国内での源泉徴収や納... Japan property tax 2026/08/20 0 488
【外国人個人向け】日本個人所得税の183日ルールとは、短期滞在者免税について徹底解説 はじめに グローバル企業における人材の国際移動が常態化する中で、「183日ルール」という言葉は頻繁に登場する。しかし実務上、この概念はしばしば誤解されている。 「183日未満なら日本で課税されない」という単純な理解は誤りであり、正確には租税条約に基づく短期滞在者免税の要件を満たすかどうかが重要である。 本稿では、日本の個人所得税における183日ルールの正確な位置付け、短期滞在者免税の適用要件、実務... Japan payroll 2026/02/14 0 946
日本の固定資産税―海外居住者・外国人が不動産を所有する場合 はじめに 日本で事業を行う外資系企業にとって、法人税や消費税と比較すると認知度が低いものの、実務上見落としやすい税目の一つが「償却資産税」である。 償却資産税は、土地・建物以外の事業用資産に対して課される地方税であり、法人の規模にかかわらず、一定の資産を保有していれば申告義務が生じる。 特に日本子会社を設立した直後や、日本支店・駐在員事務所の段階では、「法人税の対象にならない=地方税も不要」と誤解... Japan property tax 2026/01/16 0 1187
【外国法人向け】リバースチャージ制度とは? はじめに 国際的なサービス取引が一般化する中、海外事業者から日本企業がサービスを購入する場面は急速に増加しています。クラウドサービス、オンライン広告、国際的なコンサルティング、海外の専門士業への依頼など、事業のグローバル化とともにその形態は多様化しています。 しかし、こうした「国外から日本へ提供される役務(サービス)」については、従来の国内消費税の仕組みでは課税漏れが生じる可能性があり、特に201... Japan tax 2025/11/15 0 2028